映画「All You Need Is Kill」

見ました。原作既読なのでそれとの比較になる部分が多いです。ややネタバレあります。

ストーリーはギタイと呼ばれる異種族がヨーロッパに支配され、アメリカ軍少尉のケイジが広報活動のためにロンドンに赴くものの、何故かギタイとの戦闘に参加することになる。
御存知の通りループもので、簡単にバンバン死にます。重要でない場面でも簡単に死にます。明らかに笑いを誘ってる死に方もあるので、そこは笑っていいと思います。劇場で私の周囲の席から笑い声はあまり聞こえませんでしたが…

原作ではリタもループ能力者なんだけど、映画では能力ありません。原作読んだ時は能力者二人いて片方死んだら片方は認知出来るのか問題が(私の中で)あったけど、今回はそんなこと気にせずに見れます。
訓練所で怪我したケイジをリタは時間節約のために殺します。ケイジはリセットできるけど殺したリタ側はパラレルワールドとして分岐した世界になり、リタは牢屋に入れられギタイに世界征服される、なんてことはありません。パラレルワールドバタフライ効果は存在しない世界観です。

原作と比べると、どうすれば事態を改善できるか四苦八苦してるのが良かったかな。原作だとほぼ戦闘オンリーでいかにギタイを駆逐するかの話だけど、映画だと一会戦のストーリーで終わらず、目的も二転三転してどう決着がつくのか読めないところが面白かったと思います。
映像的には戦闘場面がプライベート・ライアンを彷彿とさせた。今思ったけど、ケイジの階級が二等兵(プライベート)でフランスへの上陸作戦なので、プライベート・ライアンを掛けた部分はあったのかも。また、ストーリー的に説得力のある、仲間を助けるのを諦める場面を入れていたのもよかったです。そのことが尾が引かないのもよかった。ハリウッドのご都合主義的なストーリーではありますが、ラストも含めて四苦八苦しているのが原作より好きです。

以下ちょっと気になった所
・事態が進んだ時、観客にとっては初めて見るシーンなのに、ケイジは何回も体験していたこと。ストーリー上しょうがないんですが。
・主人公ケイジが戦闘に参加する経緯がやや強引。イミフ。
・ヒロインのリタは大剣を愛用してるんだけど、ケイジも経験を積んで大剣を愛用するようになったら面白かったのに(原作では大斧だったかな)。
・リタと一緒に戦闘するときに何回も死んでしまい、戦闘前の打ち合わせでリタが怒りながら「どこから敵が来るか正確に覚えておいてくれ」的なことを言うんだけど、リタにとっては初めて経験することなのに、ループして経験を積んでるっぽい表現だったのが違和感。
・結構長い時間、訓練所でロボット相手に訓練するんだけど、戦場で敵の位置や行動を覚えていればいいことなのであまり意味ない行動だと思う。